お口の健康管理
嫌がる子どもを無理矢理押さえつけて治療を行うことが私の本来の仕事ではありません。
私の理想は、「また行きたくなる」
「元気になれる」歯科医院を作ることを目指しています。
そのためにはお口の定期的な健診が必要であり、具体的には3つの理由があります。
【理由1】
乳歯や生えてきた大人の歯（永久歯）は成熟した永久歯に比べて、歯の質が弱いため、むし歯の危険にさらされています。一度、むし歯になってしまうと進行が速く、数か月で神経の近くまで進んでしまい永久歯の芽の発育にも影響してしまいます。そして、神経の近くまで進んでしまったむし歯は痛みが出てきます。
よって、痛みだしてからの治療ではなく定期的な健診による早期発見や予防的な処置そして衛生指導により歯と口を守る健康管理の方が、実際に治療を受ける子どもとご両親にとって、また、私たち小児歯科医にとっても精神的、体力的にもはるかに楽なことです。また、結果的には時間的、経済的にも負担が少なくて済みます。
【理由2】
最近では永久歯の歯科疾患（例えば、歯周病など）も乳歯の時期からの予防が重要であると言われています。自分自身の歯で一生食べるためには、子どもの頃からのお口の中の健康や生活習慣が自分自身にとって大事であることを教える必要があります。その役目はもちろんご両親なのですが、私たち小児歯科医も治療と定期健診を通してきっとお役に立てると思います。子どもの時期のお口の健康管理はもちろんのこと将来のためにもとても大切なことなのです。
【理由3】
最近、『歯並び』や『かみ合わせ』についての相談が多くなってきています。現代の子どもの体格が著しく変化しているのはご存知でしょうか？体格と同様に歯を支えているあごの骨も少しずつ変化し、あごと歯のバランスが悪いため歯並びの悪い子が増えてきています。歯並びの不正は見かけだけではなく、歯磨きが難しく、むし歯ができやすく、また上手に噛めないなどの障害をもたらします。
近年では、矯正治療技術の向上で多くの患者様がきれいな歯並びや正しいかみ合わせを獲得できるようになりました。しかし、歯並びの治療も悪くなってから始めるよりも悪くならないように管理していく方が、矯正治療をするよりも楽なことではいうまでもありません。乳歯から永久歯へと歯並びは大きく変わる子どもの時期は、歯並びのチェックを行うこともお口の健康管理の大切な役目なのです。
