口腔筋機能療法Oral Myofunctional Therapy(オーラル マイオ ファンクショナル セラピー)の略で、舌やお口の周りの筋肉不調和を、筋肉の訓練により、調和のとれた口腔環境に改善する方法です。
歯並びや咬み合わせの形成には、遺伝だけでなく幼少期の生活習慣や癖なども大きな影響を及ぼしています。
歯の位置は歯列を取り囲む舌やお口の周りの筋肉(オトガイ筋・口輪筋・頬筋)のバランスにより影響を受けます。
口腔筋機能療法(MFT)は、こうした後天的な筋肉の不調和を舌や口唇、頬などの口腔顔面筋のトレーニングを通して整えていく療法です。
咀嚼時、嚥下時、発音時、安静時の舌や唇の位置の改善、および呼吸をはじめとした口腔機能の改善効果が期待できます。
歯並びが乱れる癖や習慣として指しゃぶり、舌癖、口呼吸、歯ぎしり・食いしばり、片咬み、爪かみ・唇咬み、頬杖、うつ伏せ寝・横向き寝、早食い・丸のみ などがあります。
こどもの身体は成長段階にあるため、柔軟で比較的小さな負荷でも歯並びや咬み合わせに悪影響を与えてしまいます。
このうちMFTでの改善が推奨される代表的なケースとして挙げられるのが指しゃぶりと舌突出癖です。ここから少し、舌癖について説明します。
MFTは①個々の筋肉の訓練、②咀嚼・嚥下の訓練,③口唇と舌の姿勢位(普段の位置)の訓練の3つの要素で構成されています。
①個々の筋肉の訓練
②咀嚼嚥下の訓練
③口唇と舌の姿勢位の訓練
個々の筋肉の訓練では、舌、口唇、咀嚼筋などそれぞれの筋肉の機能改善をはかります。
筋力を強化するだけでなく、緊張しすぎている筋肉をリラックスさせ、全体的に調和のとれた状態を目指します。
咀嚼・嚥下の訓練では、お口の中が営む主な機能である、咀嚼・嚥下・発音・呼吸などの総合的な改善を図ります。
口唇と舌の姿勢位の訓練では、安静時にいつも“口唇・舌・下顎が正しい位置にある”ことを目指すとともに、必要に応じて全身の姿勢の改善、頬杖や寝相などの“態癖”の改善を行います。